【第6回】“意外と抜けがち”価格設定のポイント

はじめに

第6回は“意外と抜けがち”価格設定のポイントです。

意外と価格って適当に決めていませんか? 実はマーケティングの世界には『プライシング』という価格設定の考え方があります。”価格戦略”とも呼ばれます。

さて、改めてあなたはサービスの価格を設定する時にどうやって決めましたか? 連盟の推奨をそのまま適用している…なんてことはないですよね? 正しくは、各連盟も多くの実績の中で推奨しているので決して間違ってはいないのです。

ただ、あなたのエリアとサービスによって厳密には調整することは必要です。 また仮に受け入れるとして、なぜその価格になっているのかに疑問を持たなければなりません。 この『なぜ?』という感覚はどんなビジネスでも重要です。

今回はそんな価格についての講座です。

本編

プライシングってどんな考え方?

突然ですが、利益額は

利益額 = 1会員あたりの売上 × 利益率 × 会員数

で決まります。この3つの変数のどこにテコ入れしていくかが非常に重要なことから、価格設定には以下のような基本的な5つの思想というものがあります。知っておいてください。

5つの思想

①売上の最大化
②目標利益率の達成
③価格の安定化
④市場シェアの拡大
⑤競合への対応

ここでもやはり競合のお話です。常に意識してください。

ちなみに、結婚相談所の場合は、ほぼ売上=利益となるため、利益率の上げしろには限界があります。そうなると、1会員あたりの売上と会員数が利益に直結します。次に1会員あたりの売上について設定する具体的な4つの手法について説明します。

具体的な4つの手法

①コスト志向型:商品原価(コスト)に一定のマージン(利益)率をかけること

価格変動の大きな小売業でよく使われます。悪くない考え方ですが、時間切り売りビジネスに近い、また頻繁に価格を変えない相談所には向いているとは言えません。

②需要志向型:需要というのは提供時間、エリア、予約状況を示します。

経済学の一般法則で、みんなが買いたいと思えば高くなり、いらないと思えば安くなるという考え方です。この業種だと提供時間はほぼ変わらないとして、エリアと予約状況(盛況具合)は違いますよね。ここでも競合の要素が少しあります。 キャパシティが埋まってきたら思い切って値上げするのはアリです。 そのタイミングで一旦集客は落ち着きますが、少しすれば戻ってきます。

③競争志向型:競合と同じもしくは低い価格に設定する。

全く逆の発想で“ヴェブレン効果”というものがあり、例えば霜降り和牛を売る時に10円/100gよりも10,000円/100gの方がプレミアがついて逆に価値が高く売れるというイメージでしょうか。 極端な例ではありましたが、”安すぎる価格設定が見かけ上の品位を落とす”ということを意味します。 いずれにしても、競合の価格調査は必須ですよね。もちろんサービスの質と価格はセットです。

④心理的志向型:ブランド価値、相場感、98円といった視覚的な要素

相談所として主軸にできる人は少ないです。ブランド価値はブランディングや実績に比例して高くなるもので、見合った価格設定とその質をアピールすることが必要ですね。

結婚相談所で取り入れるべき考え方

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結婚相談所という目線で一般論を語るとすれば、まずは②重要志向と③競争志向を主軸に基本価格を設定し、④の相場感や割安表示(98円など)を考慮する。

そしてキャパシティ(②)に対する会員数やブランド価値(④)を考慮して利益を最大化していきます。 会員を増やすべきか、価格を上げるべきか。どこを最適化するのがコスパ(労働時間含む)良しかを考えてください

ちなみに、競合を意識する場合の比較の手順について以下に解説します。

①前回の方法で抽出した全ての結婚相談所のプランをチェックし、プランごとに ・入会初期費用(登録料、活動サポート費など) ・月会費 ・お見合い ・成婚料 に分けて表にする。

②その相談所で“半年”で成婚した場合と、“1年”で成婚した場合にかかる総費用を計算する。
*私はお見合いを2回/月で設定しますが、そこはご自由に設定してください。
* 個々に見るとお得なプランも、実は総費用を計算するとしっかりと取っている賢いプランもあります。
 例:入会初期費用0円で月会費18,000円…など

③自身の各プランでも同様に計算し、同等のプラン同士で比較する。

以上により、自身のプランが対象エリアの競合相談所の中で、どのレベルの位置にいるかがわかります。 差別化戦略の本質は、強みを全面にアピールし、価格を上げていくことにあります。とはいえ最初から強気に攻めることが難しいのも理解しています。この思想に基づいて、あなたが今やるべき設定を選択してください。

さいごに

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今回はいかがでしたか?

“なんだ、当たり前じゃん”と思った方はその通りです。 冒頭の通り、ビジネスの当たり前を定義づけしただけなのです。マーケティングとはこんなものです。

でも言い換えると本質がたっぷりと詰まっているので、しっかり学んでおくべきです。 副業や主婦の方の開業が多い業種だからこそ、こういった知識が抜け落ちていることが多いので、周りと差をつけるチャンスでもあります。

前回の強み抽出と今回の価格設定で1セット。でも1回で終わりではないです。これから何度も見直し、ブラッシュアップしていってください。

前回紹介した感想ご掲載の御礼ですが、価格適正精査のフォーマットも含まれています。ぜひご検討ください。

記事冒頭の動画後半、もしくは最後の方にてアナウンスしております↓

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では、最後までご覧いただきましてありがとうございました。

以上